衛星管制センター 技術管理 S・Y 最終学歴:大学 工学部
高専に入学して工学分野の面白さに気づき、卒業後さらに大学に進学して、工学の勉強を深めました。特に興味を持ったのが通信です。目に見えない電波でどのように情報のやり取りをしているのか、その原理を理解していくことに面白さを感じました。休日は、自分で初めて購入した中型バイクで全国各地にツーリングに行ったりと、とても充実した学生時代を過ごせたと思います。
学生時代に第一級陸上無線技術士の資格を取得していたので、その知識や資格が少しでも生かせる仕事に就きたいと、無線・通信関連の会社を中心に就職活動を行いました。中でもB-SATの放送衛星の管理・運用という特徴的な事業に魅力を感じ、他社では経験できない仕事ができるのではないかと、入社を志望。最終的には、他社の内定をすべてお断りしてB-SATの結果を待つことになったので、入社が決まった時にはホッとし、高い目標を達成できた喜びを感じました。
私の年はすべてオンライン面接でした。B-SATは他社と比べて面接官が多く、画面上にたくさんの窓が開いて驚きましたが、自宅で受けられたことと、和やかな雰囲気に、緊張することなく話ができました。ただ1点、卒研内容についてうまく説明できなかったことが悔しい思い出に。本格的な研究は就職活動後に行うことにしていて、テーマも明確に決まっていなかったため、面接官からの質問に対し、しどろもどろになりながら説明したのを覚えています。
現在私は、川口の衛星管制センターに所属しています。主な仕事は、衛星から送られてくる信号を元に状態をチェックする監視業務や、衛星を静止軌道上に留めておくために行うマヌーバと呼ばれる作業のプラン作成業務、衛星にコマンドを送って制御する業務など。また、衛星メーカーから提供された資料を基に、衛星のハンドブックや運用のための手順書を作成・更新する業務も行っています。
夜勤は週に1回あります。17:00~10:00までと長時間になり、朝方きつい時間帯もありますが、空いている時間を使って勉強もできますし、先輩方とじっくり話せたりもするので、楽しく仕事ができています。
衛星の運用に、想定外はつきものです。そうした中、何があってもBS放送を途切れさせてはならないという緊張感は、常に感じながら仕事をしています。私は今のところ、危機的な状況には直面していませんが、緊急時を想定した訓練は日頃から行っており、いつでも動ける準備をしていますので、いざという時にも冷静に、自分のやるべき行動を考え、対応したいと思っています。
正直、入社前は、宇宙や衛星の知識が全くない私に、放送衛星を管理・運用するという高度な仕事が本当に務まるのかと心配していました。でも、そんな不安はすぐに解消されました。基本的な知識は入社後の研修やOJTを通じて学ぶことができ、自ら勉強するための資料やマニュアルもしっかりと用意されていました。また、何より先輩方との距離が近く、わからないことがあってもすぐに聞くことができ、みなさん優しく教えてくれます。日々衛星と関わり、勉強するにつれ、見えない衛星が画面を通じて見えてくるようになるので面白いです。とても充実した環境で仕事ができているのを実感しています。
休日はたいてい、趣味のバイクに乗っています。
シフト勤務で友人とはなかなか休みが合わないため、一人で出かけることがほとんどですが、平日の多くの時間を室内で過ごしているため、休日に外で風を切りながらバイクに乗るのはとても気持ちがいいです。
B-SAT入社後は、秩父や山梨にツーリングに出かけました。
5年もすれば、後輩に積極的に指導をしていく立場になります。周りの先輩方を見ていると、5年で自分もそうなっていなければならないことにプレッシャーを感じますが、一方でそれはモチベーションにもなっています。私も先輩方のように、後輩に分かりやすく仕事を教えられる存在になれるよう、普段から、衛星の仕組みや軌道についての理解を深めるための勉強は積み重ねていきたい。そして、さらに将来的には、運用終了衛星の軌道外投棄や、新しい衛星の調達にも関わりたいです。